ジムニーコンプリートカスタム・エンジンへのこだわり

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ジムニー エンジンへの拘り

新車時から20年以上が経過したジムニーのエンジンの状態。
それは残念ながら、散々たるものです。

ランドクルーザーやハイエースであればノンオーバーホールで走行30万キロオーバーなども珍しくありませんが、 ジムニーとは開発や製造に掛かっているコストがまるで違うので仕方のないことです。

さらにジムニーは、他の軽自動車と比べてもエンジンへの負担が大きいです。
車輌重量が重い、特に回転物であるタイヤが重い。
駆動ロスが大きい。
オフロード走行など過酷な使われ方をされることが多い。
オートマ車は3速ATなので、高速走行時は常に高回転、高負荷となる。
以上のような理由から、同型エンジンを搭載している他車種よりもブロー率が高いのです。

弊社もJA系ジムニーのエンジン、特にJA22搭載の初期K6Aエンジンには悩まされ続けてきました。
腰上オーバーホールにはじまりメーカー製リビルトエンジンの搭載、
それでも納得がいかず、コストよりも品質優先で自社内でフルオーバーホールするまでに。
試行錯誤の末、トラブルがほぼ出ない工程を確立しております。

市場に流通しているJAジムニーのほとんどは、エンジンが駄目だと思ってください。
実際、弊社で仕入れたベース車を試乗しても(この車は調子が良い)と思える車は稀です。
しかしユーザーさんは本来の100%の性能を知らないので、それが普通だと思って乗り続けてしまうのです。
我々は、完調状態のフィーリングを知ってしまっています。 丁寧にオーバーホールされたエンジンは、無加給領域から走りが違います。
また、弱点をカバーする対策を施して組みますので、耐久性も上がります。

知ってしまうと、後には戻れません。
コストや手間が掛かっても、全ての車輌をオーバーホールしてから販売している理由はそこなのです。

オーバーホール、リビルトエンジンとは?


一般的に、 エンジンを車体から降ろして分解、中身の消耗部品を新品に換えて組みなおすことをオーバーホールといいます。
シリンダーヘッドのみの施工をを腰上オーバーホール、
シリンダーブロックまで全て施工するのをフルオーバーホールとよんだりもします。

オーバーホールされ単体で販売されているエンジンをリビルトエンジンと呼びます。

ひとくちにオーバーホール、リビルトといっても その作業工程、内容、交換部品などは各ショップごとに違います。
各社過去の経験から独自の工夫をこらし、組み上げているのです。
コストや利益に対する考え方の違いから、交換部品の点数も違います。

購入したリビルトエンジンを即座に分解する人は、まずいないでしょう。
つまりそれは、裏を返せば手抜きもできてしまうということです。
実際のところ、中身がどうなっているのかはユーザーさんにはわからないのです。

弊社がメーカーからリビルトエンジンを仕入れるのをやめ、 自社でオーバーホールするようになったのはそのような理由からです。

弊社では、仮に同業者に分解されても恥ずかしくない内容のオーバーホールを心がけております。
作業工程もオープンです。
ご来店頂ければ作業工程をご覧頂けますし、画像公開もできます。

エンジン1機ごとに加工内容、交換部品は全て記録しています。

しっかりした精度で組まれたエンジンは、本来の性能を発揮します。

搭載直後なのに
圧縮圧、バキューム負圧が規定値ギリギリしか出ない
オイル消費が多い
などの症例は、手抜きオーバーホールがされている可能性が高いです。

F6Aエンジン

F6A ENGINE

JA11系からJA22のK6A登場後もJA12系として併売採用されていた、息の長いエンジン。
鋳鉄シリンダーブロック
アルミヘッド
SOHC6VALVE
とシンプルな構造で、信頼性が高く頑丈なのが特徴です。
実際、20万キロ超えでノンオーバーホールでも元気な個体は多く見受けられます。

しかし、オイルメンテが悪かったり荒く扱われた個体は、
オイル上がり
オイル下がりによるオイル消費
シリンダー磨耗による出力低下
オーバーヒートによるヘッドガスケット抜け、ヘッドのクラック
などの症状が見られます。

K6Aエンジンと比べると低回転でのトルク重視のフィーリングです。

F6Aエンジン 作業工程

分解後、特殊薬剤で2工程に分けて洗浄

各所測定

内燃機加工基本メニュー

シリンダーヘッド、ブロック上面精密面研

シリンダーホーニング

バルブガイド打ち替え、シートカット

その他測定結果によって追加加工が入ります。
(シリンダーの摩耗状況によっては最小限のオーバーサイズピストンを使います。)

内燃機加工後に再度洗浄

組み付け

F6Aエンジン 新品交換部品

メタル

ピストンリング

バルブステムシール

バルブ全数

オイルポンプローター

オイルプレッシャーリリーフバルブ

ヘッドガスケット

各シール類一式

ウォーターポンプ

サーモスタット

タイミングベルト、テンショナー

等々

タペットカバーウェットブラスト加工

K6Aエンジン

K6A ENGINE

スズキ初のオールアルミDOHCエンジンとして登場した、K6Aエンジン。
ジムニーではJA22で採用されて以来、現行のJB23型でも改良を加えられながら使われています。

アルミシリンダーブロック
アルミシリンダーヘッド
DOHC12VALVE
ラダービームクランクキャップ

など、当時としてはレーシングエンジン顔負けの構造で、
レブリミットは8500RPM(JA22型)の高回転型エンジン。

しかし、

シリンダーライナーがオープンデッキ構造という設計上の弱さ
バルブやバルブステムシール、ヘッドガスケットの当時の材質の問題
スズキ初のメタルガスケット採用で、当時の製造ラインにおいて締め付けに関するノウハウが不足していた

などの理由から、

ヘッドガスケット抜けによるオーバーヒート エキゾストバルブの溶解、欠けによる圧縮不良、出力低下

などのトラブルがとても多いのが実情です。

「壊れやすい」というネガティブイメージの強いJA22のK6Aエンジンですが、
しっかり対策を施し組んであげれば、高回転まで気持ちよく拭け上がるとても良いエンジンなのです。

K6Aエンジン 作業工程

分解後、特殊薬剤で2工程に分けて洗浄

各所測定

内燃機加工基本メニュー

シリンダーヘッド、ブロック上面精密面研

シリンダーホーニング

バルブガイド打ち替え、シートカット

その他測定結果によって追加加工が入ります。

(シリンダーの摩耗状況によっては最小限のオーバーサイズピストンを使います。) 

内燃機加工後に再度洗浄

組み付け

K6Aエンジン 新品交換部品

軸受けメタル

ピストンリング

バルブ全数(対策品)

バルブステムシール

タイミングチェーン

オイルポンプローター

オイルプレッシャーリリーフバルブ

ヘッドガスケット

各シール類一式

ウォーターポンプ

サーモスタット

等々

エンジン現物の状態により交換部品も変動します。

ジムニーエンジン作業内容


エンジンルーム


エンジンルームのディティールUPも可能。
アルミ製のヘッドカバーやインタークーラーは、丁寧に時間をかけてポリッシュする事により、ここまで光ります。
インナーフェンダーやファイヤーウォールもポリッシュでここまで綺麗に。
ボンネットを開けるのが楽しみになりますね。
料金は内容により異なりますのでお問い合わせ下さい。

慣らし運転について


オーバーホールされたばかりのエンジンは新しい部品同士が馴染んでおらず、とてもデリケートな状態です。
そこで、慣らし運転が必要となります。

暖機運転 エンジンは暖機状態で適切なクリアランスになるように設計されています。
冷間時に急激に負荷を掛けるのはエンジンを痛める原因になります。
これは慣らし期間が終わっても同様です。

慣らし期間中はなるべくエンジンに負担を掛けない運転を心がけてください。
急加速や全開走行はご法度です。
連続する長時間の上り勾配は避けてください。

回転数は5000rpmを上限目安としてください。
回転数を抑えることを意識しすぎて低回転高負荷状態になるのはかえって良くありません。
適切なシフトチェンジをこころがけてください。

慣らし期間は1000kmです。
1000km走行しましたら、エンジンオイルとオイルエレメントを交換してください。
新品の金属部品同士が擦れて金属粉が多量に出ていますので、それを綺麗にしてあげます。

エンジンオイルについて


メーカー指定は粘度は10W30です。
極寒地方の冬場を除き5Wや0Wなど粘度を下げるのは望ましくありません。

鉱物油は避け、100%化学合成を選んでください。

オイルは潤滑、気密、冷却、防錆などエンジンにとってとても大事な役割を担います。
いわば、エンジンの生命線です。
ジムニーのエンジンは特に過酷な状況に晒されます。
(油温計でモニターしていると夏場の連続高速走行時には油温が110℃まで上がることがあります。)
少しでも良いグレードのオイルをいれてあげて、こまめな交換をこころがけてください。

オイル交換は3000kmごと、2回に1回エレメントを交換してください。
こまめなオイル交換がエンジンを長持ちさせる鍵です。

オイルにもこだわりを。 MOTUL(モチュール)

 

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